黒木目の前扉付のケースです。バックの背景には日本を代表する桜柄を施しています。
縮緬を使用した羽子板は歌舞伎・日本舞踊で知られる演目である『浅妻』の場面を表しています。月夜の海に浮かぶ舟の上で美しい白拍子姿で舞う浅妻。扇子を持ち、優雅に鼓を打ちながら唄い、愛を語ります。扇子はその「末広がり」の形から、鼓は「鳴る」＝（物事が）「成る」という意味につながり、縁起物として親しまれています。
『縮緬』は和服などに使われる織物で、ちぢれた質感が特徴です。羽子板と一緒にまり飾りも付属し、彩りを添えています。
ころんと可愛らしい手まりはその丸い形にあやかり、何事も円満に進むようにとの願いがこめられています。
江戸時代からの女の子の遊び道具であり、現在も女の子の成長を願って贈る地域もあります。