ひな人形
一般社団法人日本人形協会認定
節句人形工芸士
梅野孝子(平安優香)
優香の人形制作の真髄は、衣裳において要となる生地選びで発揮される審美眼、そしてその感性が生み出す造形美に他ならない。伝統の有職故実を充分に踏まえ、正絹・友禅・龍村・帯地といった織物から選び抜いた生地を、作風の特徴である衣裳の美しい重ねとして表現。「末永く可愛がってもらえるものを」と普遍的な美しさを追い求め、まるで春の宴に向かう佇まいを感じさせるような優しさの宿る作品に仕上げている。
[2016年 節句人形工芸士認定]
「小さい頃から和服が好きでした。祖母に着せ替え人形の着物を作ってもらったりして、とても嬉しかったのを今でも覚えています。いつか自分でも作れるようになれたらいいなと思っていて、やがて時が経ち、幸運にも八女人形会館とご縁があって、人形作家の道に進むことになりました。
作るのはとても楽しいですが、難しさもあります。例えば雛人形の衣裳の配色ですが、明るい色だけでも駄目だし、あんまり暗くなるのもいけないですしね。お客様の好みは様々ですが、伝統を大切にしながら、流行もうまく取り入れていく必要があります。既存のものにこだわらないで、新しいかたちを作っていくのも良いかなと思っています」
「お客様と接した時に、『あなたの作品を買いました』とか、『かわいいですね』とか、言っていただけることがありました。そういう時はやっぱり嬉しいですね。一生大事にしていただけるような人形を作っていけたらなと思います」